2025年の主流は水素カー?いまさら聞けないエコカー用語

2025年は燃料電池自動車の戦国時代

世界初の量産型ハイブリッド自動車としてトヨタ「プリウス」が登場して以来、エコカーの開発・実用化が進んでいます。

エコカー用語

環境のために新たな技術が開発されるのは喜ばしいことですが、「HV」「EV」「PHV」「FCV」など、エコカーの種類はアルファベットで表記されてしまうことが多く、どんな自動車なのかがわからないという方も多いのではないでしょうか。

1つずつ解説していきます。

エンジンとモーター、2つの動力で走る「HV(ハイブリッド自動車)」


2017年現在、日本で最も普及しているエコカーが「HV」です。「HV」は「Hybrid Vehicle」の略で、「ハイブリッド自動車」のことです。

「ハイブリッド自動車」という日本語での呼び方になじみがあるという方が多いかもしれません。

エンジンとモーター、2つの動力を搭載しているのが特徴で、これらを効率的に使い分け、もしくは組み合わせることで低燃費を実現します。

HVの仕組みは「パラレル方式」「シリーズ・パラレル(スプリット)方式」「シリーズ方式」に分類されます。

パラレル方式はエンジン駆動が主体のシステムで、発進・低速時などのエンジンが苦手とする領域でモーターによる補助を行います。

シリーズ・パラレル方式は、エンジンとモーターの動力を使い分けられるタイプです。発進・低速時はモーターのみ、通常走行時はエンジン主体、急加速時はエンジン+モーターなどと、走行シーンに合わせてエネルギー効率の最大化を図ります。

シリーズ方式はエンジンを発電のためだけに使用し、駆動にはモーターを使用するシステムです。

方式によってそれぞれ走行特性が異なるので覚えておくとよいでしょう。

  • HVの代表車種
    プリウス(トヨタ)、アクア(トヨタ)、セレナ(日産)、エクストレイル(日産)、フリード(ホンダ)、フィット(ホンダ)、アクセラ(マツダ)など

バッテリーの電力だけでモーター駆動する「EV(電気自動車)」

「EV」は「Electric Vehicle」の略で、電気自動車のことです。

自宅や充電スタンドなどで車載バッテリーに充電を行い、モーターを動力として走行します。

エンジンを使用しないので、走行中に二酸化炭素を排出せず、環境性能においてはエコカーの中でもトップクラスといえるでしょう。

また、夜間電力などを上手に活用して充電することで、ガソリン車よりもランニングコストを低減できるケースもあります。

いいことずくめのEVですが、注意したいのがバッテリー切れ。

充電スタンドの整備が十分でない地域もあるので、長距離ドライブや日常的に訪れない場所に出掛けるまえには、バッテリー残量、充電スタンドの有無のチェックを怠らないようにしましょう。

また、エアコンなどでも電力は消費されるので、夏季や冬季にはバッテリー切れのリスクが高まります。

  • EVの代表車種
    リーフ(日産)、i-MiEV(三菱)

自宅や充電スタンドで充電できるHVが「PHV(プラグインハイブリッド自動車)」

近年、耳にすることが増えてきた「PHV」は「Plug-in Hybrid Vehicle」の略で、「プラグインハイブリッド自動車」のことです。

簡単に言うと、「外部電源からの充電が可能なHV」となります。HVのモーターを動かすバッテリーは、走行時、減速時のエネルギーを利用して自動的に充電する仕組みになっており、自由に充電することはできません。

これを自宅などで自分の好きなときに充電できるようにしたものと考えればよいでしょう。ちなみにメーカーによっては「PHEV」という呼称を使用するケースもあります。

PHVの最も大きなメリットは、HVとEVのいいとこ取りができるという点です。

バッテリーに電力が残っているときは、モーターだけで駆動するEVとして走り、バッテリーがなくなったらエンジン併用のHVとして走行できます。

日常的な近距離ドライブではモーター走行でコストを抑え、長距離ドライブ時にもバッテリー切れの心配がないというわけです。

  • PHVの代表車種
    プリウスPHV(トヨタ)、アウトランダーPHEV(三菱)

水素と酸素で発電し、モーター駆動する「FCV(燃料電池自動車)」

「FCV」は「Fuel Cell Vehicle」の略で、「燃料電池自動車」を指します。

燃料電池は水素と酸素の化学反応から電力を取り出す発電機構で、これで得られた電力をモーターへと送り、動力として使用するのがFCVです。

エンジンを使用しないので、二酸化炭素の排出量はもちろんゼロです。

水素という新たな燃料を使用する点などを踏まえ、「MIRAI」というFCVを販売しているトヨタは、究極のエコカーとも称しています。

ただし、購入の際には一定のデメリットも覚悟しなければなりません。

第一に車両価格が高いことが挙げられます。同等クラスのガソリン自動車やHVに比べると、2~3倍程度に値段が跳ね上がります。

もう1点は、発電のもととなる水素の供給設備が十分に整っていないことが挙げられます。

日本中をFCVで自由に走り回るには水素ステーションの更なる整備が必要とされています。

  • FCVの代表車種
    MIRAI(トヨタ)、クラリティ FUEL CELL(ホンダ)

究極のエコカー「FCV」課題は水素ステーション

FCVの特徴

  • 燃料が水素なので、「充電時間」不要(圧力をかける5分ほど)
  • 2021年現在、約5kgもの水素を搭載できる。 満タンで約5,500円といったところ(水素1kg1,000円程度として)
  • 航続距離は750km〜850km(ガソリン車との比較:タンク容量によるがリッター10kmのガソリン車で1回の給油で航続できる距離は600Km程度)
  • エンジンを使用しないので、二酸化炭素の排出量ゼロ(寒い日も後部から白い煙が出ない)
  • 2021年現在、圧倒的に水素ステーションが足りていない

3種類の水素ステーション

水素ステーションには大きく分けて3種類あります。

オンサイト型とオフサイト型、それに移動型。

  • オンサイト型」とは、ステーション敷地内で都市ガスやLPガスから水素を製造する方式
  • オフサイト型」とは、他の場所で製造した圧縮水素もしくは液体水素を運んでくる方式
  • 移動式」とは、オフサイト方式の一種で、本来ステーションに固定されている圧縮機、プレクーラー(水素をマイナス40℃に冷やす)、ディスペンサーなどがトラックに搭載され、移動が可能なステーション方式

水素ステーション増設計画

経済産業省は水素・燃料電池戦略ロードマップを打ち出し、各自治体への補助金と併せ給付し水素ステーションのインフラ整備に注力。例えば岐阜県

各都道府県が水素ステーションの整備に積極的に動いています。

注目すべきは水素で走る地下鉄

トヨタ自動車およびJR東日本、日立製作所の3社は、水素をエネルギー源とした鉄道用ハイブリッド車両(燃料電池)試験車両「HYBARI」を連携して開発すると発表しました。

公共交通機関で水素を動力源として採用していく動向から、安全性も含め、今後は水素をエネルギー源とした乗り物が普及していくと考えて不思議はありません。

まとめ

まだまだ過渡期ではあるものの、近い将来の2025年は「HV」「EV」「PHV」「FCV」といった燃料電池自動車の戦国時代となりそうです。

2025年には「5G」通信技術も日本全国に普及していると言われています。

車の動力源である燃料も気になりますが、次世代通信技術と合わさった新しいテクノロジー(無人運転トラックとか)に興味津々です。

現在は歴史上繰り返されてきた、人類にとって移動手段が変わる歴史の転換期なのかもしれません。

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GREEN TEA
グリーンティー→ソーシャルワーカー。新しいテクノロジー好き。時々スピリチュアル。ハーブティー→看護師。トレンドに敏感だけど実はそんなに興味なし。仲良し夫婦のお気楽ブログ。