アメリカ国内初で地方自治体レベルのベーシックインカム実証実験の発起人として注目されたマイケル・タブスさん。
どんな人物なのか気になったのでいろいろと調べてみました。
マイケル・タブスさんの経歴
- 本名はマイケル・デリック・タブス(Michael Derrick Tubbs)さん。
- 1990年8月2日アメリカ合衆国カリフォルニア州ストックトン市生まれ。
- 高校のエッセイコンテストで優勝。
- 名門スタンフォード大学(学士号、修士号取得)を2012年に卒業。
- 2013年1月からは2017年1月までカリフォルニア州ストックトン市第6地区の市議会のメンバーを務める。
- 2016年11月、カリフォルニア州ストックトン市の市長選に出馬し当選。
- 2017年1月から2021年1月までアメリカ合衆国カリフォルニア州ストックトン市長。
- 国内初の地方自治体レベルのベーシックインカムパイロットを立ち上げる。
- 政治団体は民主党。
- 2017年にアンナさんと結婚、2019年に息子を授かる。
マイケル・タブスさんのここがすごい
生まれ育った環境が驚き
タブスさんはストックトンの貧困地区で生まれました。
お母さんが16歳の時に彼を産み、お父さんは刑務所でした。
貧困の連鎖にはまりそうな状況でしたが、何とか努力して高校ではアリス・ウォーカーが主催するエッセイコンテストで優勝。
ストックトン市はサクラメントとサンフランシスコの間の商業の中心地で軍事施設があり、ハリウッドのセットとして定期的に使用されていました。
しかし1990年代タブスさんがそこで育ったとき、銃声が通りで鳴り響き、市内の高校生の半数以上が卒業前に中退してしまわれたそうです。
高校を卒業することもままならない状況で優勝したエッセイコンテスト。
そのエッセイにはタブスさんが12歳のときに初めてお父さんに会った時の様子が書かれています。会った場所は刑務所の面会室。
お父さんは、誘拐、麻薬所持、強盗の罪で終身刑で服役中。
初対面のお父さんはオレンジ色のつなぎ服で両手、両足に鎖で繋がれていました。
タブスさんが「どうしてここ(刑務所)にいるの?」と尋ねると、お父さんはこう答えました。
「俺たちの運命は決まっている。刑務所か死か。俺たちの運命は生まれた時から決まっているんだ。」
お父さんの言葉は面会後もタブスさんの頭から離れませんでした。
しかし、ここがすごいのですが、若干12歳のタブスさんはその言葉を受け入れ、活動の原動力に変えました。
そしてその後10年足らずで、彼はスタンフォード大学を卒業、オプラ・ウィンフリー(アメリカで超有名人)の注目を集め、ホワイトハウスでインターンとして働くことになりました。
2017年1月、カリフォルニア州ストックトン市議会で4年間務めた後、タブスさんは彼が生まれた町の市長として任命されました。
12歳で実のお父さんにそんな言葉を聞かせられたら凹むし腐っちゃいそうですよね。この逆境を克服してエネルギーに変えてしまうところがすごい!

マイケル・タブスさんの持つ記録がすごい
マイケル・タブスさんのスピーチがすごい
TEDトークでタブスさんの力強い演説を知ることができます。
TEDトーク内では次のようなことが語られています。20歳のハロウィーンで従兄弟に不幸があったときのこと。なぜベーシック・インカムが必要なのか。
ストックトン市が抱える問題解決への道は、ストックトン市に限らずすべての国民に当てはまるということ。演説中に何度も拍手が起こります。
もし彼がアメリカの大統領になったなら、大きな変革が起きると思い胸が熱くなりました。
TEDトーク
マイケル・タブスさんの家庭も素敵
弟さんがいるのはわかっていますが、なんでもタブスさんが14歳の時に弟がいると知らされたのだとか。弟さんのご職業等詳細はわかりませんでした。
2017年12月にタブスさんはスタンフォード大学で出会ったアンナさんと結婚しました。
アンナさんのご両親はともに弁護士で、独立した法律コンサルタントとしてお母さんは人権問題を、お父さんは知的財産問題を担当しています。
アンナさんは現在、ケンブリッジ大学で社会学の博士号を取得し、人種問題やジェンダー問題に取り組んでいるそうです。
タブスさんとともに婦人有権者同盟イベントに参加したりと仲睦まじく、お互い志高く活動されていて良きパートナーという印象を受けます。
2019年4月、2人は子供を授かりました。

マイケル・タブスさんの周囲もすごい
タブスさんはアメリカ内で全国的な知名度を持っていたため、今回の落選は驚くべき結果でした。
しかしタブスさんは現在もアメリカ合衆国副大統領のカマラ・ハリス上院議員や、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムさんと交友があることで知られており、HBOのドキュメンタリーで取り上げられました。
カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムさんは定期的にタブスさんへホームレスについてのアドバイスを求めています。
さらにはオバマ元大統領や、オプラ・ウィンフリーといった影響力のある人たちもタブスさんの活動を支持しています。
マイケル・タブスさんのことをもっと知りたい
トライベッカ映画祭で上映された「True Son」というドキュメンタリー映画
監督 ケビン・ゴードン
編集 ローラ・グリーン、エミール・ボカエ
主演 マイケル・タブス
この映画は2014年のトライベッカ映画祭で初公開され、その後FusionTV / Univisionで販売されました。
「True Son」
HBOが「Stockton On My Mind」というドキュメンタリー映画を製作
監督 マーク・レビン
編集 ジェームズ・レスター、マーク・レビン
主演 マイケル・タブス
「Stockton On My Mind」
まとめ
「出る杭は打たれる」でしょうか、2020年11月の再選選挙では57,276票(56.4%)対44,206票(43.6%)という結果で善戦したものの落選。2021年1月からはケビンJ.リンカーン市長がストックトン市の任期を務めています。
しかし、アメリカ合衆国元大統領のバラク・オバマさんも落選経験があります。
まだまだ若く、逆境に負けず信念を貫く強さ、実現させる行動力、強力な支援者を引きつける力を感じるタブスさんからまだまだ目が離せません。今後も要注目です。
エールを送りつつ、より良い社会を実現させたいというタブスさんの情熱に負けないよう、日本も頑張りましょう。
Michael Derrick Tubbs official website
