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世界が注目するベーシック・インカム|日本はモデル国家を目指すべき

世界が注目するベーシック・インカム|日本はモデル国家を目指すべき

私が「ベーシック・インカム」という構想を知ってから20年近く経ちます。

構想自体は500年以上の歴史があり、1516年に出版されたトマス・モアの著書「ユートピア」で無条件のベーシック・インカムの思想が世に出ました。

最近になりいろいろな場面で耳にするようになり、ようやく周知されつつあると感じています。

しかしまだベーシック・インカムとは何なのか、聞いたことはあるけれど、詳しい内容は知らないという人も多いのではないでしょうか。

〝コロナショック〟パンデミックによって深刻なダメージを受けた今こそ、あらためてベーシック・インカムについて考えたいと思います。

本記事ではベーシック・インカムのメリットとデメリットを挙げて考察したいと思います。

その前に少し前置きですが、私は20年ほどソーシャルワークを実施してきた経験に基づき、10年以上前から、なぜ日本はベーシック・インカムを実施しないのだろうと疑問に感じていました。

ベーシック・インカム(basic income)とは、政府がすべての国民に最低生活費を無条件で定期的に支給するという構想を意味しています。

なぜベーシック・インカムを導入すべきと考えたか、それは、ソーシャルワークを実施する中で、数々の矛盾を目の当たりにしてきたからです。

生活保護受給者と年金生活者の逆転現象

先ず、生活保護制度の矛盾は嫌というほど見てきました。

若い頃に納税、年金加入を拒み(やむを得ない理由があってだと信じたい)、生活保護を受給して医療費、介護費は公費(私たちの税金)で免除され、毎月の生活費が支給され不自由なく暮らす人。

一方、自営業を営み、なんとか税金や年金を捻出して納め、わずかな国民基礎年金を受け取り、月額で6.5万円ほどの中で節約して生活し、病院では医療費を支払い、介護サービスや施設入所すると毎月の利用料を支払い、食いしばって生活保護を受けずになんとか踏ん張って生活を維持している人。

これは若い頃に義務を果たしてきた年金受給者と、そうではない生活保護受給者の逆転現象が起きていると言わざるを得ません。

また、他人名義で高級車を乗り回す生活保護受給者もたくさんいます。

都市部では1人のケースワーカーが100人以上の生活保護受給者を担当せねばならず、月に一度訪問して預金通帳を確認して所得確認するので精一杯です。タンス預金をすれば行政が所得残高を把握する術はありません。

つまり、もう生活保護制度は破綻しているのです。

社会進出しようとしない若者の生活保護受給者

そして後者の若者も一定数いて、その数は決して少なくありません。特に都心に多い印象を受けます。

「てんかん」や「うつ病」などの診断書を準備し、労働できない根拠を示し、若くして生活保護を受給し、下手に働いて収入を得ると生活保護が打ち切られることが心配で就労しようとしない若者のことです。

「生活保護マニュアル」などという書籍も売られ、その中には病院でどのように振舞えば「てんかん」や「うつ病」という診断が得られるということまで書かれています。

実際は健康なため病院でもらう薬は必要ありません。もちろん公費(税金)で賄われるため医療費の負担もありません。

うつ病などの向精神薬は需要もあり、そういった薬は闇サイトで売買され、そこで得た収入をタンス預金などをしてケースワーカーに把握されないように、などといったことまで「生活保護マニュアル」には書かれています。

そうやって私たちの血税で得た保護費で外食や旅行を楽しむ若者が一定数存在しているのです。

 

そういった生活保護制度の矛盾や逆転現象を目の当たりにしてきた経験から、生活保護制度は限界を迎えていると感じました。

1人のケースワーカーが100人を超える受給者の生活実態を把握するなど不可能です。

申請を受け保護を開始するか見送るかを窓口の担当者の裁量で見極めることも困難です。そんな生活保護窓口の水際作戦が破綻するのも時間の問題で、早く生活保護窓口を解散し、担当する生活保護ケースワーカー等のスタッフを解放してあげたいと感じています。

私はそういった光景を目の当たりにし、戦後から続いた生活保護制度は廃止にして、代わりにすべての国民を対象に最低生活費を支給するというベーシック・インカムを実施すべきだと考えるようになりました。

今回の〝コロナショック〟による緊急経済対策のように全ての国民を対象に、継続的に最低生活費が支給されるようになれば、私が直面したわずかな年金生活者も若い頃に年金を納めてきたことが報われ、暮らしに余裕も生まれます。

働こうとしない若者も、皆に最低生活費が支給されるようになれば、月に1万円でも、2万円でも得ようと社会進出するのではないでしょうか。そこから働く喜びを見出す者も少なくないはずです。

 

ここで、ここでベーシック・インカムのメリットとデメリットを挙げて整理してみたいと思います。

メリット

  • 低所得者よりも生活保護者が豊かな生活をする逆転現象がなくなる
  • 餓死を防げる(日本国内で毎日5人のペースで餓死者が存在する)
  • 労働意欲の向上(研修費や旅費のネックが解消し人材が育つ)
  • 働き方の多様化を促進する(低収入でも本当にしたい職種に就ける)
  • 低所得者層の消費が拡大し経済が活性化する
  • 少子化対策を見込める
  • 貧困による犯罪が減少する
  • 社会保障が充実した他国へ優秀な人材が流出する予防になる(国力低下防止)

デメリット

  • 金銭目的で子をたくさんつくり、育児放棄、育児怠慢といった問題が起きる可能性がある
  • この制度を担保にした貸付や詐欺業者が出現する可能性がある

しかし、これらデメリットついては対策を講じることが可能です。

ベーシック・インカムの財源について

ベーシック・インカムをテーマに話をするときに必ず出てくるのが財源の問題です。

複数の経済学者や専門家がその確保に向けた試算を出しています。

7万円/月(未成年は5万円/月)を無条件で国民に毎月支給するためには約100兆円が必要とされています。

所得税を30%に上げ、上記の生活保護制度等を廃止にすることで確保することができます。

その財源を確保する手段は複数あるとされています。

問題は財源があるかどうかではなく、やるか、やらないかということ。

政府がベーシック・インカムの実行に二の足を踏む理由は「国力の低下に繋がりかねない」というものです。

ただ、たくさんの矛盾を目の当たりにしてきた感想を述べれば、政府の主張はむしろ逆です。ベーシック・インカムは国力の増進が期待できます。

アメリカのベーシック・インカム研究班は、アメリカ全土で毎月1,000ドルを支給することで2025年には2.5兆ドル(日本円で約300兆円)の経済効果があると試算しています。

その内訳は主に低所得者の外食やレジャー、購買意欲が高まり、経済が活性化するという計算です。

生活保護が打ち切られることを恐れ働こうとしない若者は僅かでも収入を得ようと社会進出し、そこで経験した貢献感や満足感から、働く喜びを知り、より良い仕事をしようと努力する可能性も十分期待できます。

また、すでに働いている人たちもベーシック・インカムが支給されれば生活にゆとりができ、旅費や研修費がネックで消極的になる必要がなくなり、技術力や質の向上も期待できます。

それだけではありません。働き方が多様化することで、本当にしたいことを仕事にすることができます。人は好きなことには妥協しません。努力が苦労ではなくなり、やがて日本初の世界的企業が続々と生まれる可能性も十分考えられます。

そうなると結果的に国力は増進していきます。

 

 

ベーシック・インカムの最低生活費のみの支給で満足し、働こうとしない人は一定数はいるでしょう。しかしその数は全体の数パーセントに留まると推測します。

その根拠は、幸福学という学問で人が働くという行為は大きく3つに分類されることを重要なファクターとして挙げることができます。

  1. 「ジョブ」(報酬)のために働く行為
  2. 「キャリア」(経験)のために働く行為
  3. 「コーリング」(社会的意義)のために働く行為

つまり人は報酬のためだけに働くのではなく、何らかの貢献感が得られれば、それは幸福と直結しているのです。

社会との繋がりよりも孤立することを選ぶ人も少なからずいるでしょう。

しかしその数は、働く喜びを感じて幸福を感じたい人と比較すると僅かだと言えるのではないでしょうか。

ベーシック・インカムが実施されればこれまでの「労働」の形はもっと自由なものに変容することでしょう。

まとめ

ベーシック・インカムの実施に躊躇する政府の本音は、複雑化した社会保障の仕組みの中で利益を得ている既得権益者や利権を撤廃できないためと言われてもおかしくありません。

皆さんは22世紀、23世紀の社会でもミーンズ・テスト(資力調査型)の生活保護が存在していると思われますか?

人工知能、次世代通信、ビッグデータ、ディープラーニング、そういったテクノロジーの進化で人力での労働は激減します。

政治家の活動、税金の使途をチェックする第三者機関等オンブズマン制度などの必要性も感じます。

国家レベルでベーシック・インカムをスタートさせた国はまだありません。

どこかの国がスタートすれば、それに続く国は少なくないでしょう。それこそが国民主体の21世紀型のフェアな社会保障のあるべき姿だからです。

私は世界に先駆けて先ずこの日本でベーシック・インカムを実現して欲しいと願っています。日本人の国民性、日本文化などと肩を並べて政治も世界に称賛される国になって欲しい。

マイナンバー制度が活用された今こそ、思い切った真の社会保障の在り方を模索すべきだと思いませんか?

ABOUT ME
GREEN TEA
グリーンティー→ソーシャルワーカー。新しいテクノロジー好き。時々スピリチュアル。ハーブティー→看護師。トレンドに敏感だけど実はそんなに興味なし。仲良し夫婦のお気楽ブログ。